ロッテ涌井

 ロッテの涌井が7日にQVCマリンで契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸2億2000万円でサインした。西武から13年オフにFA移籍。これまで今季で満了を迎える2年契約とみられていたが、「もともと2年契約じゃなくて3年だった」とカミングアウトした。意外性あふれる言葉はまだ続いた。「上位2チーム(ソフトバンク日本ハム)と凄く差を感じた。球団とは補強面で互いの意見を言い合った。凄く大事なことなので」。来季の戦力強化についてフロントに「直談判」する異例の展開。チームのため、編成責任者の林信平球団本部長の方針を直接聞いておきたかったのだ。
今季は15勝を挙げて6年ぶりに最多勝を獲得。2年ぶりのAクラス入りに貢献したが、CSファイナルSでソフトバンクに3連敗を喫した。ただでさえ戦力差を感じていたところに、今江がFA権を行使して楽天に移籍。クルーズの退団も決まり、内野のレギュラーが2人も抜ける事態に強い危機感を抱いた。
「どういう補強を考えているんですか?と聞いて。そうしたら“(助っ人を)獲ります”という回答がすぐに出てきた。(補強の)意思があることが分かってよかった」
チームリーダーとして鈴木の存在感が高まる中、エースは「“陰のリーダー”としてやれれば」と言う。地元・千葉の球団を頂点に導くために移籍してきた男は「FAで来ているので、優勝しないと意味がない」と言いきった。 

プレミア12

劇的勝利の一方で、守護神には不安を残した。1点リードの9回を任された侍ジャパンの松井裕(楽天)は連打と四球で1死満塁のピンチを背負うと、代打・イエペスに三塁線を破る一時逆転の2点二塁打を許した。救援失敗。3球続けたチェンジアップが甘く入り「(状態が)悪かったというより通用しなかった。自分の力がないだけ」と表情はさえなかった。
侍ジャパンで初セーブを挙げた12日のドミニカ共和国戦でも先頭打者に内野安打を許し、5日のプエルトリコとの強化試合では3安打を浴び、得点圏に走者を背負った。いずれも失点は許さなかったが、この日は2失点。それでも小久保監督は「あす(の準々決勝で)同じ場面でも松井裕でいきます。反省材料として次につなげてほしい」と言った。松井裕も含め、沢村、増井、山崎康と今年30セーブ以上を記録した4人のクローザーがいる中で、決勝トーナメントの守護神を託された。
救援に失敗したチーム最年少の20歳は「こういう結果になったけど、引きずらないようにやりたい。(準々決勝で対戦する)プエルトリコとは強化試合でもやっている」と切り替えた。下を向いている暇はない。プレミア12初代王者を狙う侍ジャパンの「世界一ローテ」が固まった!! 決勝トーナメントは球界屈指の前田健太投手(27=広島)、大谷翔平投手(21=日本ハム)、菅野智之投手(26=巨人)の先発3本柱で挑む。初陣はエース前田が先発。前回登板のメキシコ戦から中4日での先発も「シーズン中でもやっているし、問題ない」と万全を強調。エースの後を受け、帰国後初戦の準決勝は大谷がマウンドに上がる。最後は東京ドームを本拠地に戦う菅野が締める。慣れ親しんだ“庭”での投球は地の利も生かせる。球界が誇る3本柱で一気に駆け上がる。

山田だ!

連敗スタートとなったヤクルトが、若きスラッガー山田の“驚弾3連発”でソフトバンクを8―4と撃破。今シリーズ初勝利を挙げ、通算成績を1勝2敗とした。ヤクルトの日本シリーズ勝利は14年ぶり。
ヤクルトは初回、山田がソフトバンク先発・中田からバックスクリーン左に1号2ランを放ち、先制。2―2と追いつかれて迎えた3回には、山田が2打席連続となる2号ソロをバックスクリーン左に叩きこんで3―2と勝ち越した。
そして3―4と再び1点ビハインドとなって迎えた5回だった。2死から川端が四球を選び、ここで打席に山田を迎えるソフトバンクは2番手・千賀にスイッチ。だが、投手が代わっても山田のバットは止まらなかった。3ボール1ストライクからの5球目直球を叩き、今度は左翼スタンドへ。日本シリーズでの3打席連続アーチは、1970年にロッテと対戦した巨人の長嶋茂雄が2試合にまたがって記録して以来45年ぶりの快挙で、1試合での3打席連発は日本シリーズ史上初の偉業達成となった。
ヤクルトは8回、山田が空振り三振に倒れた後で畠山が左翼スタンドにソロ本塁打を放ち、貴重な追加点。さらに中村の適時二塁打で2点を加えて試合を決めた。たまたまテレビを見ていました。山田の三打席目を子供を迎えにいったときにクルマノテレビで見ていました。神がかりの打席でした。ヤクルトの勝利を誰もが確信したことでしょう。やっとおもしろくなってきました。今日が楽しみです。

阪神

セ・リーグクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦は12日、東京ドームで行われ、レギュラーシーズン2位の巨人が同3位の阪神に3―1で勝利。対戦成績を2勝1敗として4年連続のファイナルステージ進出を決めた。阪神は終戦。退任する和田豊監督(53)の“後釜問題”はどうなるのか。
ファイナルステージ進出に失敗し、終戦となった阪神。球団は大物OB・金本知憲氏(47)の次期監督招聘に全力を注いでおり、この日も極秘交渉を行ったが、金本氏に近い関係者は本紙に「金本はまだ悩んでいる。(受けるか)決めかねている様子だった。まだ迷っている」と話した。そんな状況下で和田監督体制のコーチ陣が「金本よ、早く決めてくれ」と“悲鳴”を上げている。
平田ヘッドコーチは「(自身の去就について)追ってさたがあるでしょう。監督を男にできなかった責任は感じている」と言い、すでに関川打撃コーチが、V逸の責任をとって今季限りでの退団を表明しているが、他の一、二軍コーチ陣は、その去就が不透明となっており、あるコーチはうなだれつつ、こう話す。「こういう成績だったから、みんな(退任する)覚悟はしている。だけど本音を言えば、早く決めてほしい。(コーチ人事は)金本の意向もあるから、金本が決めない限り、こちらも決まらないのは分かるけど…」
別のコーチは「(退任か契約延長か)決まらないと、次の進路が決められないからね。フロントも苦しいところなんだろうけど…。だけど(監督が代わった)オリックス楽天のコーチ人事もどんどん固まっていくし…。正直、早く金本には決めてほしい」と声をひそめながら話した。

川島なお美

女優の川島なお美(かわしま・なおみ、本名・鎧塚 なお美=よろいづか)さんが24日午後7時55分、胆管がんのため、都内の病院で亡くなった。54歳だった。愛知県出身。青山学院大学在学中の79年に「シャンペンNo.5」で歌手デビュー。文化放送の深夜番組「ミスDJリクエスト」で人気を博し、82年に日本テレビ系「お笑いマンガ道場」でアイドル的存在となった。
女優としてキャリアを積み、94年に映画「新極道の妻たち 惚れたら地獄」、96年にテレビ朝日系ドラマ「イグアナの娘」に出演。97年に日本テレビ系ドラマ「失楽園」で濃厚なラブシーンが話題となった。
「私の体はワインでできているの」という言葉で知られるように大のワイン好きで、09年にはパティシエの鎧塚俊彦氏と結婚した。
14年に肝内胆管がんの手術を行ったが、15年9月に報道陣の前に姿を見せた際にはやせ細っていて体調が心配されていた。ミュージカル「クリスマス・キャロル」などを降板。代役が決まった際には「完璧に元気になって女優に復帰できるよう当面は治療に専念させていただくことになりました」とコメントを出すなど復帰を目指していたが、叶わなかった。 1年9カ月にわたった闘病生活は、抗がん剤治療ではなく、民間療法を選択。免疫力を向上させる食事療法などを取り入れた。その理由を「抗がん剤の副作用でステージに立てなくなる可能性があるなら、私は最後まで女優として舞台に立ち続けたい」と周囲に明かしていた。発表会での凄絶(せいぜつ)な姿も、女優として人生を全うする覚悟の表れだった。

イチロー

その波は、静かに沸き起こり、やがて大きなうねりとなって、球場全体を包んでいった。
8月15日、イチローが日米通算ながら4192安打を記録し、タイ・カッブの通算安打4191安打(歴代2位)を更新すると、スコアボードに記録のことが紹介されたわけでもないのに、敵地セントルイスのファンは、それを称えたのである。米記者らに意見を聞いた。
まず、記録の位置づけだが、「公式な記録と捉えられることはない」と全員が明言した。
ニューヨーク・デイリーニュース紙のアンソニー・マッキャロン記者はこう言っている。
「ファンは、イチローがローズに並び、超えることになれば興味を持つだろう。しかし、あくまでも参考であって、公式記録と考える人はいない」
ESPN.COMのジム・ケイプル記者も、「注目すべき数字ではある」と断った上で、「全く、気にしない人もいる」と続けた。
予想された反応だが、その理由ー。多くは、レベルの問題を挙げている。
「大リーグに比べたら、日本のレベルは低い。それは事実だ」と元MLB.COMマリナーズ番記者のジム・ストリート記者。シアトル・タイムズ紙でかつてマ リナーズの番記者を務めていたジェフ・ベイカー記者も、「多くの人は、日本のレベルはメジャーとトリプルAの間だと考えている」と指摘した。
元シアトル・ポストインテリジェンサー紙のコラムニストで、現在は「スポーツプレス・ノースウエスト」の主筆を務めるアート・シール記者も、「日本と大リーグのレベルは違う」と話す。
「欧州PGAツアーの勝利が、米PGAツアーでの勝利ほど高く評価されないのと同じような考え方が、根底にあるのではないか」
日本のプロ野球のレベルが、メジャーとトリプルAの間、という捉え方はたびたび耳にし、その捉え方は想定内でもあるが、レベルに関しては興味深い見方もあった。

原采配

巨人が25日のヤクルト戦(神宮)に2―5で敗れ3連敗。首位・阪神とのゲーム差は「3」に広がり、早ければ26日に自力Vが消滅する。一方、この試合で は開幕から三塁コーチを務めた勝呂壽統内野守備走塁コーチ(51)に代わり、川相昌弘ヘッドコーチ(50)が三塁ベースコーチに立った。ここ最近、走塁ミ スが続いていることから原辰徳監督(57)が配置転換を断行した格好だが、これを本紙専属評論家・伊原春樹氏は一刀両断した。原監督がチームのトップに立つ指揮官としてメスを入れたかったのは分かる。だがもし手を打つならば、もう少し早い時期でなければいけなかった。優勝を目指 してチームが一丸となるべきこのタイミングで「要」の三塁コーチが代われば、選手は確実に動揺する。そう考えれば逆に代えないほうがいいし、無理に交代さ せる必要などないのだ。
しかも三塁コーチは付け焼き刃でできるほど、甘いポジションではない。私もこれまで何度もあの場所に立ってきているのだから、経験上それはハッキリと言 い切れる。川相ヘッドでも難しいだろう。とはいえ、今の他のコーチに代わりが務まる者もいない…。もし許されるのであれば、私があの場に緊急事態で立ちた かったぐらいだ。今回のことだけでなく、ここのところ原監督の選手起用やベンチワークを見て「おかしい」と思うことは何度もある。いくつかある中で、少々失敗が続いたから といって堂上の二軍降格を決めたことも気になった。中日の戦力外から、せっかくチームのラッキーボーイ的な存在になって定着してきたのに非常にもったいな いことだ。
その堂上と入れ替えて一軍に上がってきたはずの大田を、この日はスタメン起用しながら2回の第1打席が三振に終わっただけで、あっさりとベンチに引っ込 めてしまった。投手交代のからみもあったのだろう。試合後に原監督は「(大田)泰示が悪いから代えたわけじゃない」と言って交代を戦略上の理由としたが、 やることなすことが裏目に出てしまっている。あえて酷な言い方をすると一貫性がなく希薄だから、結果につながらないのだ。