プレミア12

劇的勝利の一方で、守護神には不安を残した。1点リードの9回を任された侍ジャパンの松井裕(楽天)は連打と四球で1死満塁のピンチを背負うと、代打・イエペスに三塁線を破る一時逆転の2点二塁打を許した。救援失敗。3球続けたチェンジアップが甘く入り「(状態が)悪かったというより通用しなかった。自分の力がないだけ」と表情はさえなかった。
侍ジャパンで初セーブを挙げた12日のドミニカ共和国戦でも先頭打者に内野安打を許し、5日のプエルトリコとの強化試合では3安打を浴び、得点圏に走者を背負った。いずれも失点は許さなかったが、この日は2失点。それでも小久保監督は「あす(の準々決勝で)同じ場面でも松井裕でいきます。反省材料として次につなげてほしい」と言った。松井裕も含め、沢村、増井、山崎康と今年30セーブ以上を記録した4人のクローザーがいる中で、決勝トーナメントの守護神を託された。
救援に失敗したチーム最年少の20歳は「こういう結果になったけど、引きずらないようにやりたい。(準々決勝で対戦する)プエルトリコとは強化試合でもやっている」と切り替えた。下を向いている暇はない。プレミア12初代王者を狙う侍ジャパンの「世界一ローテ」が固まった!! 決勝トーナメントは球界屈指の前田健太投手(27=広島)、大谷翔平投手(21=日本ハム)、菅野智之投手(26=巨人)の先発3本柱で挑む。初陣はエース前田が先発。前回登板のメキシコ戦から中4日での先発も「シーズン中でもやっているし、問題ない」と万全を強調。エースの後を受け、帰国後初戦の準決勝は大谷がマウンドに上がる。最後は東京ドームを本拠地に戦う菅野が締める。慣れ親しんだ“庭”での投球は地の利も生かせる。球界が誇る3本柱で一気に駆け上がる。