生前予約

女性の方からのお電話でした。とても元気な声でした。その方は言われました。医者に余命半年だと。ガンだと言っておられました。それから彼女は延々と電話でしゃべり続けました。おかげで私の昼食は冷えてしまいました。そのときはどこが病気なのかと思いました。それから生前予約の申し込みをするためにお会いすることになりました。ご自宅にはあまりきて欲しくないみたいなので、近くのファミリーレストランでお会いすることになりました。そのファミリーレストランは私の会社から20分くらいのところでした。ご自宅もそこからすぐ近くでした。そのマンションには私の娘の同級生が住んでいました。ですからよく知っていました。はじめてお目にかかりました。やはり想像通りどこから見ても病気に見えませんでした。テーブルについてから彼女は延々と2時間以上しゃべり続けました。予想はしていたのですが、とても疲れました。お話によると、夫はいないらしく、息子様がひとりいるだけだそうです。その息子様とは同居はしていないと。それで自分のことは自分で最後まできちっとしておきたいそうです。それから何度か彼女とはお会いしました。その後、息子様からお電話をいただきました。事情を詳しく聞いていないようでした。それから叔父様という方からもお電話をいただきました。しばらくして息子様から「母が亡くなりました」とお電話を頂きました。初めてお電話をいただいてから、2年以上たっていました。