原采配

巨人が25日のヤクルト戦(神宮)に2―5で敗れ3連敗。首位・阪神とのゲーム差は「3」に広がり、早ければ26日に自力Vが消滅する。一方、この試合で は開幕から三塁コーチを務めた勝呂壽統内野守備走塁コーチ(51)に代わり、川相昌弘ヘッドコーチ(50)が三塁ベースコーチに立った。ここ最近、走塁ミ スが続いていることから原辰徳監督(57)が配置転換を断行した格好だが、これを本紙専属評論家・伊原春樹氏は一刀両断した。原監督がチームのトップに立つ指揮官としてメスを入れたかったのは分かる。だがもし手を打つならば、もう少し早い時期でなければいけなかった。優勝を目指 してチームが一丸となるべきこのタイミングで「要」の三塁コーチが代われば、選手は確実に動揺する。そう考えれば逆に代えないほうがいいし、無理に交代さ せる必要などないのだ。
しかも三塁コーチは付け焼き刃でできるほど、甘いポジションではない。私もこれまで何度もあの場所に立ってきているのだから、経験上それはハッキリと言 い切れる。川相ヘッドでも難しいだろう。とはいえ、今の他のコーチに代わりが務まる者もいない…。もし許されるのであれば、私があの場に緊急事態で立ちた かったぐらいだ。今回のことだけでなく、ここのところ原監督の選手起用やベンチワークを見て「おかしい」と思うことは何度もある。いくつかある中で、少々失敗が続いたから といって堂上の二軍降格を決めたことも気になった。中日の戦力外から、せっかくチームのラッキーボーイ的な存在になって定着してきたのに非常にもったいな いことだ。
その堂上と入れ替えて一軍に上がってきたはずの大田を、この日はスタメン起用しながら2回の第1打席が三振に終わっただけで、あっさりとベンチに引っ込 めてしまった。投手交代のからみもあったのだろう。試合後に原監督は「(大田)泰示が悪いから代えたわけじゃない」と言って交代を戦略上の理由としたが、 やることなすことが裏目に出てしまっている。あえて酷な言い方をすると一貫性がなく希薄だから、結果につながらないのだ。